台湾でコピ・ルアクを飲む その2

週末なのに閑散とした農園の玄関。

「大丈夫なのか?営業してる?ここまで来てまいったなぁ」

と焦っていたら、

「はい、はい、はい、はい!いらっしゃいませ、いらっしゃいませ~。どぞ、どぞ中へ!」

とテレビできくような中国なまりの日本語で、笑顔いっぱいの男性が現れました。

なぜ日本語?

どうやらタクシーのドライバーさんが先に入って説明してくれてた様子。

親切なドライバーさん、ありがとう。

 

 

ところで『山猪園牧場』の名前から豚牧場か?と思われた方も多いのではないでしょうか。

元々は豚を飼育していたそうで、2003年にSBIR(中小企業技術革新研究プログラム)の経済技術に参加し、専門家に技術と意見を聞き、珈琲の苗を植え始めた、近年では園内の収益の一部を児童福祉のために寄付し、その政策にも携わっているそうです。

 

 

オーナーの阮さん

私が日本で自家焙煎をやっているとお話したら、とても喜んでくれ、パネル写真を指さしながら身振り、手ぶり。

日本語、中国、英語交じりで、農園の成り立ちからコーヒーの収穫、製造過程などなどをとても丁寧に説明してくれました。

奥のスペースには、山猪園牧場の商品が並べられていて、大学と提携して珈琲研究も行っているという焙煎作業場には焙煎釜や冷却器(焙煎した豆は急速に冷やすことが重要なのです)、さらに脱殻機(生豆の殻をむく機械)や乾燥機(天日乾燥だけでは作業が追い付かないときに利用するらしい)などがありました。

 

 

 

感心したのは、機械がどれも綺麗に整備されていて、大切に使っておられる様子がみてとれたこと。

道具を大切にすることは、モノヅクリをする基本です。

 

 

園内で飼育されていたのはジャコウネコ科の真っ白なハクビシン。

ちなみに農園の看板に書いてある『果子貍』は中国語でハクビシンの意味です。

ハクビシンもコーヒーの実が好きなのね。

コピ・ルアクが珍重されすぎるあまり、野生だけでは賄えず、劣悪な環境で飼育されることもあるジャコウネコ。

ここでは風通しの良い広いゲージで、のんびりお昼寝していました。

ルルちゃんというハクビシンがいたのですがお尻を向けて眠っていたので写真が撮れず、パネルを撮影。

 

 

綺麗に整備されたアラビカ珈琲の畑。

まっすぐに伸びた幹が特徴的だな、と思いました。

というのは、珈琲は、国によって、栽培方法や品種によって、樹の形も変わってくるのです。

 

 

ここで少し品種についてミニ知識をご紹介。

アカネ科のコーヒーの木。

現在、品種改良によって数百種の品種がありますが、元になる三大原種がありまして、こちらの農園には三大原種がすべて栽培されていました。

◆アラビカ種
綺麗な酸味を持つ、品質の良い美味しい珈琲豆が採れる品種として、今現在世界で多く栽培されています。
しかしながら病害虫に弱く、日照、温度、降水量、土壌等栽培環境が厳しく育てるのに非常に神経を使うの栽培者泣かせの品種。

ちなみに、当然当店の珈琲はもちろんすべてアラビカ種です。

◆ロブスタ種
アラビカ種に比べると病害虫に強く、断然たくましい頼もしい品種なのですが、苦みが強く香りが独特で、私は正直あまり好きではありません。
苦みを特徴とするため、たまにブレンドや缶珈琲、アイスコーヒーの原料の一部に使われることが多い品種でもあります。

◆リベリカ種
アラビカほど栽培環境には厳しくないものの、病気に弱く、収穫量が極端に少ないくせに、大木になって管理がしにくいちょっと困った品種。
味がよければまだ救いようがあるのですが、残念なことにアラビカには勝てないレベル。
結果、世界の流通量の1%にも満たず、農家の方が自分で消費するくらいだそうです。
特徴はその葉の形状で、一枚の葉が25センチくらいあり、シワのないつやつやの葉。

 

 

向かって左のツヤツヤの葉がリベリカ。

右側のちょっとシワのある葉がロブスタです。

リベリカ種の樹は見たことがなかったので、テンションがあがったなぁ。

 

 

またまた長くなってしまいました。

コピルアク、いつ飲むねん?

安心してください。

次回、いよいよコピ・ルアクを飲みます。(たぶん)

 

 

 

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